まさかの続編。やたらと強いおばあちゃんのPR動画「登米無双2」

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2018/01/05

昨年ご紹介した宮城県のPR動画「宮城県・登米市の名を全国に轟かせた、 郷土食「はっと」のPR動画」を覚えていますか? 60代の女性が悪役と対決する場面で見せた勢いのあるアクションシーンが話題になりました。今回、この第2弾のPR動画が発表され話題です。すでに動画再生回数は60万回以上にものぼっています。

時代が求めている?女性のアクションシーン

最初に余談から始まって恐縮だが、日本テレビのドラマ「奥様は、取り扱い注意」が高視聴率を獲得し終わった。私もほぼ毎回見ていたが、確かに面白かった。高級住宅街で何不自由なく暮らす専業主婦が、実は元諜報部員なのだ。素性を隠し穏やかな暮らしを手に入れたものの、次第に、その生活に飽きてきて、町のトラブル解決に乗り出す。最近のドラマにはなかった設定だった。

ただし、視聴者が毎回楽しみにしていたのは綾瀬はるかが演じる、この主婦が見せるアクションシーン屈強な男を何人も簡単にねじ伏せてしまう姿、キレキレでカッコいいと評判だった。そもそも綾瀬はるかは、NHK「八重の桜」でも、鉄砲を持って戦いに参戦する男勝りの主人公を演じていたし、今も放送中のNHK「精霊の守り人」では、毎回、泥まみれな姿で、激しい戦いのシーンを披露している。「奥様は、取り扱い注意」でのアクションシーンは、「精霊の守り人」に比べれば甘いほうだろう。

社会全般に女性の活躍するシーンが増えるにつれて、こうした強い女性のアクションシーンはこれからも増えるのではないだろうか。綾瀬はるかには、今後、アクション女優としての活躍にも期待したい。

ところで、シニア世代にも、今後、同じような現象が起きるのではないかと期待している。少子化で慢性的に人手不足の日本では、飲食店などのサービス業に関わらず、どの業界でも60代、70代なら「ひくてあまた」状態。社会先般にシニア世代の活躍が増えて、従来の高齢者は弱者という単純なイメージが覆されれば、シニアが主人公になるアクションドラマや番組が生まれても不思議ではない

 

おばあちゃんの本格アクションPR動画がブームに

その先駆けのような動画がある。宮城県登米市は2016年11月に、「Go! Hatto 登米無双(ゴハット トメムソウ)」という地元のPR動画を作成している。この動画に関しては、すでに昨年、私のコラムでも紹介済みだが、もう一度、ざっとあらすじを紹介しておくことにする。

江戸の頃から米どころの宮城。米は高く売れるため、藩はすべての米を江戸に送っていた。そのため、百姓たちは自分の作った米を食べることができない。そこで、小麦を練って「すいとん」にしたり、「もち」の代用品として食べていた。しかし、「米作りが疎かになる」と心配した領主が、食べることを禁止。つまり「ご法度」にしたことで、この料理は「はっと」と呼ばれるようになった。「はっと」は今でも、市民が愛してやまない郷土食だ。

そこに突然、「はっと」を食べることを禁じる「ご法度」の札を示す謎の黒服集団が登場する。戸惑う市民。そのとき、ひとりのおばあちゃん「トメ」が立ち上がる。このトメさん、実は「登米無双」という必殺技を隠し持っていた。たった一人で、小気味よく黒服軍団をなぎ倒す。ついに、「はっと」は無事に市民の口に戻ったのだった。

主人公トメさんを演じたのは61歳の女性。50~70代で結成された殺陣ユニットのメンバーとして活躍する女優さん。なかなかのアクションシーンだった。


「登米無双2」でアクションがパワーアップ!

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そして、1年後の2017年11月、第2弾「登米無双2(とめむそう2)」が完成したというニュースが届いた。

第一弾はネットでの再生回数が110万回を超えたそうで、第2弾の制作に弾みがついたようだ。

また、アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア(SSFF&ASIA)」で、第6回(2016年)観光映像大賞(観光庁長官賞)を受賞するという快挙も達成。全国各地から500近い観光PR映像の応募があった中での受賞だ。

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さて、今回の「登米無双2」はトメに倒された謎の集団が復讐しにやってきたところから始まる。

この間、トメには都会から移住してきたサチという若い女性が弟子入りしていた。

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都会から移住してきたサチと主役のおばあちゃん
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みんなで仲良く料理していたのに…
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あいつらが戻ってきた…

そして、謎の集団にも黒幕の女性ボスがいるという設定。ラベルのボレロの曲に合わせて、パワーアップしたバトルと豪快なアクションが繰り広げられている。

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懲りずに再び登場。
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今回はおばあちゃんピンチ?
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おばあちゃんのもとに駆けつけるサチ
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アクロバティックなアクションシーン!
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荒野で対決!

黒幕の女性ボスが、これまた強力で(白スーツ男性よりも強い)、あわやトメさんピンチ!

しかし、最後はサチが助けにきて、お約束通り、ついに悪人は退治されるという設定だ。

エンディングで、敵味方の4人が観光物産センターに仲良く集うところは自治体PR動画ならではのご愛敬

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最後はみんな仲良く。

本編の動画はこちらから。

ちなみに、メイキング動画もあり、こちらは市民の素直な反応がわかって面白い

今回は動画公開と同時に、2つの体験企画もスタートさせた。

知ってもらった後は、来てもらいたいということだ。

残念ながらイベントはすでに終了しているが、1つ目は、動画主演の「トメ」と一緒に登米市を巡り、“登米無双”を体験する日帰り旅行を企画。

2つ目は秘技“登米無双”でトメを操るネットアクションゲーム。制限時間内で、スコアを810(はっと)点獲得するとゲームはクリアになる。こちらは今も体験可能。

人口減少傾向にある地方こそ、女性やシニア世代の能力活用への取り組みが必要だ。

登米市にそんな意図はなかっただろうが、強いシニアと女性を主人公に据えたことは案外、時代を象徴した取り組みだったのかもしれない

  • source:PR TIMES
  • ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。
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シニアライフアドバイザー。2000年から団塊・シニア世代のライフスタイルや動向を調査し、発信中。全国各地の自治体で「地域デビュー講座」の講師なども務める日々。当事者目線を重視しています。

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